魚は好きだし、栄養や健康を考えた時に毎日の食事に魚料理を増やしたいけど、いろいろと手間がかかってめんどくさいから、結局魚は買わないという人も多いと思います。
日本は海に囲まれ、昔から漁業が盛んな国ですが、国の調査によると平成22年に肉の消費量が魚を上回っています(農林水産省「食料需給表」)。
これには魚の調理だけでなく、購入や食べた後のゴミの処理がめんどくさいと思う人が多いのも大きな理由と考えられます。
とはいえ、魚料理には手間を減らすポイントがあります。
魚料理のめんどくさい理由を把握し、それを解決するための方法を知っていれば思った以上に手間なく調理ができます。
しかも、自分で調理したほうが、コスト面でも安く済み、料理のバリエーションも増えます。
この記事では、主に魚料理がめんどくさい理由を把握して、その手間を減らす方法を解説します。
手間をかけず、安くて美味しい魚料理を毎日の食卓に増やしていきましょう。
魚料理がめんどくさい理由
魚料理は、買うところから、調理して食べてゴミを捨てるところまで、それぞれの段階でめんどくさい手間がかかります。
日本で売られている魚介類の種類は約500種類と言われていています。
そのため、味や食感、大きさや形など様々で、魚ごとに合う調理方法が異なります。
このことから、まず魚を買う際にどんな魚を選ぶかを考える手間がかかります。
調理についても、魚一匹のうち食べられる部分は約50%(頭や内臓を食べない場合)と言われており、頭、内臓、ウロコなどを取るための下処理に時間がかかります。
また、料理によっては、頭や骨がついていることもあり、食べる時や捨てる時にも手間がかかります。
つまり、魚は買うところから、調理して食べ、ゴミを捨てるまでのそれぞれの段階で手間が発生するということです。
そのため、この記事では「買う」、「作る」、「食べる」、「捨てる」の各段階に分けて解説していきます。
買う時の手間を減らす方法
魚を買うのがめんどくさいと思ってしまう理由は、種類の多さにあると思います。
また、それぞれの魚には旬があって、季節によって美味しさが異なります。
さらに、販売の形態も丸々一匹のものもあれば、切り身、開き、刺身用などいろいろあります。
そのため、どの魚を買えばいいのかわからない。種類が多くて選べないという悩みがあり、考える手間がかかると思います。
また、買いに行くこと自体がめんどくさいと感じる人もいるでしょう。
そんな、魚を買うことについての手間を減らす方法は、「旬と鮮度に気をつけて買う」「切り身を買う」「通販を活用する」を意識することがいいでしょう。
旬と鮮度に気をつけて買う
どの種類の魚が良いかについては、魚それぞれの特徴があり、人によって好みがわかれるところです。
一方で、どんな魚にも美味しさを左右する共通のポイントがあります。それは、魚の旬と鮮度にこだわることです。
魚には一年の中で脂の乗りや栄養の蓄えなど美味しくなる旬の時期があります。
また、魚は鮮度にとても影響されやすい食材です。
どんな魚を買うか迷ったら、「本日水揚げ!」や「今が旬!」などの文字を注意して探して見るといいと思います。
旬と鮮度の重要性については以下の記事を参考にしてください。
切り身を買う
どのような形態の魚を買うか迷ったら、切り身の魚を買うと良いです。
理由としては、その後の手間があまりかからないところです。
丸のままの魚を買うと、ウロコ取りや内臓処理など下処理が必要です。
また、食べるときに頭や骨を取るのに苦労したり、捨てる部分が多く出たりします。
その点、切り身であれば、ほとんどが食べる部分のみになっていますし、色々な料理への応用が可能です。
迷ったら切り身を買いましょう。
通販を活用する
魚を買いに行くことがめんどくさいという場合は、通販を活用しましょう。
近年は、鮮度管理や冷凍技術も向上しているため、鮮魚店に魚を買いに行かなくても、通販で美味しい魚を購入することができます。
また、在宅の機会が増えたこともあり通販で個人向けに魚を販売する業者やルートが増えてきています。
食材宅配はもちろん、地元の漁協や魚屋、漁師から直接購入することもできたりします。
新鮮な食材を手間なく購入しましょう。
調理の時の手間を減らす方法
魚の調理の時の手間の一つに、内臓処理などの下処理に時間がかかるということが挙げられます。
また、調理をするときに手やまな板など生臭くなるということも魚料理がめんどくさく思う一因だと思います。
さらに、そもそも、調理の方法がわからないという場合もあると思います。
これらの問題を解決する方法として、「購入時にさばいてもらう」「下処理の正しい手順を知る」「手間のかからないレシピを知る」などが挙げられます。
この調理の手間をどれだけ減らせるかによって、魚料理に対するハードルに大きく影響してきます。
購入時にさばいてもらう
下ごしらえの手間を減らす方法として、購入時に捌いてもらうサービスを使うということです。
スーパーの鮮魚コーナーなど多くのお店では対応してもらえますが、案外活用する人は少なく感じます。
買う時にプロに捌いてもらうと、キレイに無駄なく処理してもらえますし、ゴミが全く出ないので大変お得です。
また、買う時の手間を減らす方法で説明した、「切り身を選ぶ」ということも下ごしらえの手間が省けるのでオススメです。
全て自分でやる必要はありません。下処理は購入前にすませてしまうことがオススメです。
下処理の正しい手順を知る
自分で下処理をする場合は、正しい手順を知ることが重要です。
魚が生臭くなる大きな原因は、内臓や血がキレイに取り除けていないということです。
これが魚に残っていると魚が生臭いままですし、触れたところが全て生臭くなってしまいます。
一方、ひたすら水を使って魚を洗うと、魚の身が水っぽくなったり旨味が流れでたりして美味しくなくなってしまいます。
内臓を除去した時に、血が残らないようにキレイに洗い流し、その後はキッチンペーパーなどでしっかり水分を吸収し、その後は水洗いしないということがポイントです。
下処理の詳しい手順については以下の記事を参考にしてください。
手間のかからないレシピ
手間のかからないレシピを知っていることが、魚料理へのハードルを下げる第一歩です。
食材を見て一から作り方を調べて作るのは、めんどくさいと感じてしまう人も多いと思います。
また、その手順が複雑であるほど、嫌になってしまうと思います。
焼くだけ、煮るだけなど単純な工程で、そこそこ美味しく食べられるレシピをいくつか覚えておきましょう。
食べる時の手間を減らす方法
食べる時に最も手間だと思うことは、骨を取ることだと思います。
特に、小さいお子さんがいる場合は、骨を自分で取れない場合も多く、危険で目が離せないため魚を選びたくないという人も多いでしょう。
一方、子供の成長や栄養のことを考えると魚を食べさせたいと思う人は多いと思います。
そのような時には、「骨取り魚を使う」「調理の時に骨を取っておく」「缶詰を使う」などが挙げられます。
骨取り魚を使う
食べる時の手間を減らす方法として有効なのが、骨取り魚を使うということです。
最近はスーパーなどでも意外と多く販売されていて、切り身などのパックに「骨取り」や「骨抜き」などのシールが張ってあります。
文字通り、骨がすでに取り除かれているので、食べる時のストレスは格段に減ります。
是非、注意して探してみてください。
調理の時に骨を取っておく
骨取り魚でなくても、調理の時に自分で骨取り魚にしてしまうと良いでしょう。
食べる時に取るよりストレスは少ないと思います。
小骨であれば、骨抜きを使うと非常に簡単に取れます。
ホームセンターのキッチン用品コーナーなどには大体置いてありますので、1つ持っておくと便利だと思います。
缶詰を使う
食べる時の手間をなくす方法の1つとして、缶詰を使うことも有効な手段です。
缶詰は高圧、高温で処理しているため、身や骨も柔らかくなっています。
そのため、骨などを取り除く必要がなく、全て食べられます。
また、骨ごと食べられるため、カルシウムがたくさん摂れたり、密閉して殺菌しているため、保存料が入っていなかったりと、栄養面・成分面でもメリットがあります。
保存性にも優れているため、魚の弱点である鮮度管理、できるだけ早く食べなければいけないということがないので、ストックしておくことができます。
手軽に魚を食べたい時には、大変オススメです。
捨てる時の手間を減らす方法
料理によっては、下処理の後や食べた後に骨などのゴミがたくさん出ると思います。
魚のゴミを捨てるときに問題となることとしては、ゴミが生臭くなる、骨で袋が破れるなどがあり、このことも魚が選ばれない一因でもあります。
これら捨てる時の手間を減らすには、「新聞紙に包む」「臭いがもれにくい袋を使う」「冷凍する」ことが効果的です。
新聞紙に包む
骨がビニールを破ったり、指に刺さったりするのを防ぐために効果的なのが、新聞紙で包むということです。
新聞紙で包んでからゴミ袋に入れると骨の危険性が減ります。
また、新聞紙が臭いのもととなる汁や血なども吸収するため、臭いや汁がもれにくくなります。
臭いがもれにくい袋を使う
ビニール袋にもいろいろ種類があり、臭いのもれやすいものもあれば、もれにくいものもあります。
生ゴミ用に臭いがほとんどもれない袋も売っています。
また、子供さんがいる家庭は、一度は使った頃があるかもしれませんが、オムツ用の袋を活用するのも良いと思います。
また、意外と臭いがもれないのが、お菓子やパンの袋です。
一度試しに使ってみてください。
冷凍する
燃えるゴミの収集までに時間がある時に最も効果的なのが、冷凍するということです。
袋に入れた状態で冷凍するとほとんど臭いが発生しません。
この時、ゴミを入れた袋が骨などで破れ、ゴミが凍るまでに冷凍庫に汁がもれないよう、注意が必要です。
まとめ
今回は、「買う」、「作る」、「食べる」、「捨てる」の各段階に分けて魚料理の手間を減らす方法を解説しました。
各段階のポイントは以下のとおりです。
○買う時:「旬と鮮度に気をつけて買う」「切り身を買う」「通販を活用する」
○作る時:「購入時にさばいてもらう」「下処理の正しい手順を知る」「手間のかからないレシピを知る」
○食べる時:「骨取り魚を使う」「調理の時に骨を取っておく」「缶詰を使う」
○捨てる時:「新聞紙に包む」「臭いがもれにくい袋を使う」「冷凍する」
これまでめんどくさくて、魚料理をしなかった人は、とにかく手間をかけないことが大事です。
自分が何をめんどくさいと感じているかを明らかにして、それを減らす工夫を少しずつしていきましょう。
やっていくうちに自分でもコツがわかってきて、効率的な調理ができるようになります。
手間をかけずに魚料理を毎日の食卓に増やしていきましょう。