魚料理と言えば、塩焼きを思い浮かべる人も多いと思います。
一方で、どんな下処理をすればいいのか、塩はどれくらいつけたらいいのか、何分焼けばいいのかなど、いざ作ろうと思うといろいろなところで悩むことが出てくると思います。
ただ、シンプルな調理法なだけに、いくつかのポイントさえ抑えることができれば、家庭でも簡単に美味しく作ることができます。
今回は、インターネットや料理本など、いろいろな調理法を試してみた結果、一番簡単でおいしくできた方法をご紹介します。
ぜひ、参考に作ってみてください。
魚の塩焼きの簡単な手順
この記事では、できるだけ簡単な手順で解説していきます。
魚の塩焼きの手順は以下の通りです。
魚の下処理
↓
魚に塩を振る
↓
魚を焼く
それぞれの工程について解説していきます。
魚の下処理
まず、塩焼きをおいしく作るために、下処理は欠かせません。
切り身の魚を塩焼きにする場合には、下処理の必要はありませんが、一匹丸々の魚の塩焼きをする場合は、下処理が必須です。
主な処理としては、うろこと内臓を取ることです。
下処理の詳しい方法については、以下の記事で解説しています。
この下処理でポイントとなるところは、内臓や血をキレイに洗い、しっかりと水気を拭き取ることです。
内臓や血は魚料理を生臭くする原因です。
また、水気が残ったままだと水っぽい仕上がりになってしまいます。
しっかり洗って内臓や血をキレイに取り除き、キッチンペーパーなどで水分を拭き取ってください。
魚に塩を振る
次に、どのくらいの塩をどのように振ればいいのかということを解説します。
塩を振るという意味は、もちろん味付けの目的もありますが、他の役割もあります。
塩を振ることで、浸透圧により余計な水分や、生臭さの成分などを出すことができます。
そのため、魚を焼く30分程度前に塩を振り、出てきた水分をしっかり拭き取った後に焼くことをオススメします。
塩の量は、魚の重さの2〜3%が良いと言われており、塩の振り方は、30cmぐらいの高さの位置から全体に満遍なく振りかけると良いです。
魚を焼く
魚を焼く場合、火加減や焼き時間なども悩みどころだと思います。
これも、とても難しいところで、魚の種類や大きさ、調理器具によってもベストな焼き加減は変わってきます。
まずは、家庭用の魚焼きグリルを使う場合の焼き方を解説します。
片面焼きのグリルでの焼き加減は、
裏面はこれより1~2分短くて良いです。
魚を裏返すタイミングは、皮目がしっかりと焼けているか、身がふっくらと膨らんできているかが目安です
また両面焼きグリルでの焼き加減は、
この焼き加減はあくまで目安のため、焼き加減を見て時間を調整すると良いです。
次にフライパンを使う場合の焼き方を解説します。
魚焼きグリルがない場合、あるいは掃除がめんどくさいなどグリルを使いたくない場合は、フライパンで作る塩焼きがオススメです。
焼き方は片面グリルの場合とおおよそ同じですが、身の厚い魚については、必要に応じて蓋をして蒸し焼きにするとしっかり火が通ると思います。
また、フライパンで塩焼きをする場合は、専用のシートを使うことで、焦げたり、身がくっつくことを防ぐことができます。
魚の塩焼きをおいしくするポイント!
今まではできるだけ簡単な手順を解説しましたが、これに加えて、少し手間を加えるだけで、より美味しく作ることができます。
そのポイントをいくつかお伝えするので、ぜひ試してみてください。
立塩をする
立塩(たてじお)とは、魚を塩水に短時間浸ける工程のことをいいます。
この工程により、魚の臭みが抜け、身が引き締まります。また、適度に塩味が付くことで、焼いたときに味が均等に整います。
これにより、魚の臭み成分が塩水に溶け出し、臭みが軽減されるとともに、塩味を均等に行き渡らせ、魚の風味を引き立てる効果、さらに魚の身が引き締まり、焼き上がりをふっくらさせる効果があります。
立塩は、下処理をされた状態で売っている魚や切り身などでも行うメリットがあります。
立塩のタイミングとしては、魚の下処理が終わった後、塩を振る前に行います。
手順としては、
水に塩を溶かして、約3~5%の濃度の塩水を作ります。
目安としては、500mlの水に対して15~25gの塩を使用します。これは、海水と同じくらいの塩分濃度です。
次に、作った塩水に、魚を約10~20分程度浸けます。浸ける時間は魚の種類や厚さによって調整します。薄い魚なら10分程度、厚い魚なら20分程度浸けます。
魚を塩水から取り出した後、キッチンペーパーなどで表面の水気をしっかりと拭き取ります。これにより、焼きムラがなく、均一に焼き上げることができます。
焼く前にグリルの準備をする
塩を振った魚をいきなりグリルで焼くのではなく、少し準備することで、美味しくキレイな塩焼きを作ることができます。
網に油やお酢を塗る
魚が網にくっついてしまうと、焼き上がる前にボロボロになってしまい見た目や食感が悪くなり、火の通りもムラができてしまい、掃除の手間も増えます。
網にキッチンペーパーなどを使って、油やお酢を塗ることで、魚が網にくっつきにくくなり、焦げ付きにくくもなります。
ちなみに、酢は加熱することによって酸味が消えるため、魚が酸っぱくなることはありません。
魚を焼く前にグリルを加熱する
魚を焼く前に予熱をしておくことで、焼き上がりが均一で美味しくなるだけでなく、調理の効率も向上します。
魚を入れる前に強火で5分程度加熱します。
これにより、全体的にムラがなくキレイに焼き上がり、皮もパリッと仕上がります。
また、予熱によっても魚が網にくっつきにくくなる効果もあります。
このように、予熱することにより効率的に焼きあげることができます。
新鮮な魚を購入する
これまで塩焼きの手順やポイントを解説してきましたが、美味しい塩焼きを作るために最も手間をかけるポイントとしては、新鮮な魚を購入することであり、一番重要なポイントと考えます。
魚は鮮度に大きく左右される食材であり、美味しい塩焼きを作るためには鮮度の良い魚を使うことが不可欠です。
逆に言うと、どんなに手間をかけて調理をしても魚の鮮度が悪ければ美味しい塩焼きを作ることはできません。
特に塩焼きはシンプルが故に魚の味が直接美味しさにつながります。
美味しい魚の選び方については以下の記事で解説しています。
是非、美味しい魚を使うことを意識してみてください。
まとめ
美味しい魚の塩焼きを作る手順とポイントは以下の通りです。
【簡単な手順】
① 魚の下処理(内臓や血をキレイに洗い、しっかりと水気を拭き取る)
② 魚に塩を振る(焼く30分程前に塩を振り、出てきた水分を拭き取る)
③ 魚を焼く(焼き加減を見て時間を調節する)
【美味しくするポイント】
・立塩をする(約3〜5%の塩水に10〜20分程度浸ける)
・グリルの準備をする(網に油か酢を塗り、余熱する)
・新鮮な魚を使う(一番大事!!)
シンプルなようで奥が深い塩焼きですが、ポイントさえ押さえれば美味しい塩焼きを作ることができます。
塩焼きは多くの魚に合う調理法なので、色々な種類の魚で塩焼きを作ってみてください。